シーズンオフの船体整備について
冬の季節は、北西の季節風が強く、気象・海象の急変から思わぬ海難事故に見舞われることがありますので、賢明な皆様のレジャー活動も少なくなります。
ところが、この季節に忘れてならないのが、来シーズンに備えて愛艇の整備を怠らないことです。
そこで先日、福岡県志摩町の玄海マリーナをお尋ねして、ハーバーマスターの吉村さんに、シーズンオフ時における船体・機関の整備等についてお話しをお聞きしたので会員の方々に参考になればと思います。
1.エンジンを真水洗い(電気系統に水がかからないようにする)をする。
2.バッテリーは、十分に充電し、ターミナルははずしておく。
3.エンジンの必要個所やステアリング等の可動部分にグリスアップをしておく。
4.船体は、真水洗いをして金属部分に防錆剤を塗布しておくこと。可能であればボートカバーを掛けておく(付属品等の盗難予防にもなる)。
5.排気管、ビルジポンプ等の排出口は、ガムテープで塞いておくこと(土蜂等が、パイプ内に卵を産みつけてパイプ内を塞ぐことがある)。
以上がオーナー自身で可能なシーズンオフ時における整備ということでした。
また、5年以上経過したエンジンは、調子が良くてもメーカー、販売店等に点検整備を依頼された方が良いのではないかとのことでした。
船外機の場合は、キャブのオーバーホール、インペラの交換、ベッドガスケットの点検。
船内機の場合は、エンジンオイル、ギヤオイルは毎年交換した方が良い。点検整備を万全に行って、来シーズンの海洋レジャーを満喫したいものです。
海の常識
「ノットの由来」
自動車や電車の早さの単位は、キロメートルで表わしますが、船の場合は、ノットで表わします。
ノットとは英語でKnotのことで、紐の結び目のことです。
15世紀の頃、船の速力を測るために扇形板に曳き綱をつけ、船尾から海に流し船が進むにつれ、一定間隔(14.4メートルまたは7.2メートル)ごとに結び目をつけた麻縄を繰り出し、船上で一定時間に繰り出した結び目の数を読んで船の速力を測ることが考案されました。
測定する場合は、砂時計(28秒又は14秒)を使用し、例えば28秒の間に結び目が一つ(14.4メートル)通過する早さを時速に換算すると1海里走ったことになり、この早さの単位をノットと呼ぶようになりました。
1海里の長さは最初は赤道上での緯度1分にあたる長さとして定められましたが、科学の進歩とともに、高速で自転する地球が回転楕円体となっていることが判り又、正確な測量が繰り返された結果、赤道付近の緯度−分は約1,843メートル、種付近では1,861メートルと観測されていますが、現在では国際協定により1海里は1,852メートルと定められています。
一般的にプレジャーボートは10ノットから20ノット以上、小型貨物船が12ノット位、巡視船艇が約20ノットから30ノット以上です。船の速力をキロメートルに換算する場合は、1,852キロメートル×ノット数となり、20ノットの場合は1,852メートル×20ノット=約37キロメートルとなります。
海上では、船がスピードを出すと波が立ち、停泊している船に動揺を与え、破損させたり、人が海中に転落することがありますので、狭いところや港内ではスピードをおとして航行するのが常識であり、シーマンのマナーです。
「七つの海」とは?
その昔「七つ」という言葉はよく「たくさん」という意味で使われていました。
「七つの海」は15世紀以前の西欧では、紅海、地中海、ペルシャ湾、黒海、アトリア海、カスピ海、インド洋を指していましたが、今日では普通、北極海、南極海、インド洋、北大西洋、南大西洋、北太平洋、南太平洋を指します。
「世界の熱帯低気圧の名前」
熱帯低気圧の発達したものを、日本では「台風」と呼び、至る所に大きな被害を被りますが、干ばつの時には恵の雨ともなります。しかし、この台風も発生する場所によって、呼び名が違います。
1.北太平洋と南支那海で発生する熱帯低気圧を、「台風」と呼びます。
2.北太平洋東部メキシコ付近、及び北大西洋に発生する「ハリケーン」。
ハリケーンの呼び名はカリブインディアンの「邪悪な精霊」を意味するバリカンという言葉からきたものです。
3.インド洋及び南太平洋西部で発生するものを、「サイクロン」。
4.南半球のインド洋で発生するものを、「モーリシャス・ハリケーン」。
5.オーストラリヤの西方海上で発生するものを、「ウィリー・ウィリー」。と呼びます。
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